2026-27年度 渡 辺 伸 一

 この度、歴史と伝統ある知立ロータリークラブの会長という重責を拝命し、その責任の重さに身が引き締まる思いでございます。顧みれば、私がロータリーに入会以来、諸先輩方のご指導のもと多くの学びとかけがえのない友情を得ることができました。ロータリーの「奉仕の理想」に触れ、視野を広げていただいたことに心より感謝申し上げます。
 さて、この度会長としての一年間を務めさせていただくにあたり、私は今年度のテーマを「with. 共に」と掲げさせていただきました。この「with」という言葉を選んだのは、私たちは今大きな変化の時代を生きています。数年間にわたるパンデミックは人々の働き方や価値観を大きく変え、デジタル化は急速に進みました。便利になる一方で人と人との直接的な触れ合いが減少し、ともすれば「個」が孤立しやすい社会になっているとも感じます。私たちロータリークラブも、時代の変化と無縁ではありません。会員の多様性をどう確保していくか、多忙な現代において例会や活動への参加をどう促すか、そして、地域社会の真のニーズにどう応えていくか。多くの課題に直面しています。こんな時代だからこそ、私はロータリーの原点である「繋がり」の力を改めて見つめ直したいと考えました。
 奉仕活動は、しばしば「for the people(人々のために)」という言葉で語られます。もちろんその精神は崇高であり、私たちの活動の根幹です。しかし、私はこの一年その「for」の精神に加え、「with」の視点を強く意識したいのです。「with」は、「~と共に」「~と一緒に」という意味を持つ言葉です。それは、私たちが奉仕の対象とする人々に対して上から手を差し伸べるのではなく、同じ目線に立ち、声に耳を傾け、「共に」悩み、「共に」考え、「共に」汗を流す存在でありたい、という決意の表れです。そして、この「with」はクラブの内部にも向けられています。
 第一に、「会員と共に (with Members)」です。当クラブには、豊富な経験と知見をお持ちのベテラン会員の皆様と新しい視点やエネルギーを持つ若い世代の会員が在籍しています。この多様性こそが、私たちの最大の財産です。この一年、世代や職業、経験の垣根を越え、お互いが「共に」学び合い、尊重し合える場づくりに努めます。例会や親睦活動が単なる義務的な集まりではなく、ここに来れば本音で語り合える仲間がいる、新しい発見がある、と感じていただけるような温かく「インクルーシブ(包摂的)」なクラブ運営を目指します。皆様一人ひとりが「クラブの一員であること」に誇りを持ち、「参加して楽しい」と心から思えるよう、幹事、役員一同、知恵を絞ってまいります。
 第二に、「地域と共に (with Community)」です。私たちの活動の舞台は、この知立です。この地域が今、本当に何を求めているのか。私たちはそのニーズを的確に掴めているでしょうか。この一年は改めて原点に立ち返り、地域社会の声に「共に」耳を傾けたいと思います。従来の奉仕活動を大切に継続しつつも、必要であれば新しい形のアクションも恐れずに挑戦したい。行政や他の奉仕団体、NPOとも積極的に「共に」連携し、一つのクラブでは成し得ない、より大きなインパクトを生み出す「掛け算の奉仕」にチャレンジしたいと思います。
 第三に、「世界と共に (with the World)」です。私たちは、140万人の仲間が世界中にいる国際ロータリーの一員です。ポリオ根絶運動に代表されるように、ロータリーは世界的な課題解決に大きな役割を果たしてきました。環境問題、平和構築、教育支援など私たちの前には大きなテーマがあります。自分たちの活動が、この地域だけでなく遠い国の誰かの笑顔にも繋がっている。世界中のロータリアンと「共に」歩んでいるのだというグローバルな視点を持ち続けたいと思います。「with」は、「個」を消し去るのではなく、「個」を尊重しつつ、一つの目的に向かって力を合わせることを意味します。「一人ではできないことも、皆と一緒ならできる」この言葉を胸に、この一年間、会員の皆様「と共に」、この地域社会「と共に」、そしてロータリーの偉大な理想「と共に」、全力で歩んでまいる所存です。
 未熟者ではございますが、クラブの発展のために誠心誠意努めてまいります。どうか、会員皆様の温かいご指導、そして力強いお力添えを賜りますよう、心よりお願い申し上げます。一年間、どうぞよろしくお願いいたします。